第10章 態度の変化

パソコンを開くと、メールボックスからメッセージが飛び出してきた。高橋さやかが昼に送ってきたGV会社の資料だった。一通り目を通して、大体の内容を把握した。

デザイン画などは全て箱に入れて鍵をかけている。古村陽平が突然入ってきて、自分のことを知られるのが怖いからだ。

でも、なぜ知られるのを怖がっているのかさえ分からない。最初は話そうと思っていたのに、彼はいつも冷たい態度を取るので、言いたいことも言えなくなってしまった。

そのまま現状が続き、彼は彼女をただの暇な御曹司の妻だと思い込み、彼女もそう思わせたままにしていた。

高橋さやかは何度も、なぜ古村陽平のもとを去らないのかと聞いてきた。今の...

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