第19章 初めてのメンテナンス

「陽平との結婚も二年以上経つのに、まだ子供の話も出ないわね」

古村陽平の叔母が言った。古村家の庇護があるからといって、夫婦揃って、夫は女遊び、妻は男性モデルと遊び歩く噂の絶えない二人だった。

「そんなにお急ぎなら、ご主人とどうぞ。うちは焦っていませんから」江崎鏡は彼女に目もくれずに言い返した。

以前は古村陽平を愛していたから我慢できた。でも今は彼への愛情が薄れ、失望も増していく一方で、もう彼女たちの嘲笑には耐えられなかった。

「何という口の利き方!年上に向かって、礼儀を知らないのね」古村玲が声を荒げた。

「年上らしい振る舞いをしてからものを言え」怒りを含んだ古村陽平の声が後ろから聞...

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