第20章 告げ口

江崎鏡は冷たく鼻を鳴らした。

「お姉さんなんて呼ばないで。気持ち悪い」

江崎清ももう演技をする気はなかった。憎々しげに彼女を睨みつけた。

「陽平くんに何か言ったでしょう?おとといまで、古村家の家族の宴に連れて行くって約束してくれたのに。あなたが止めたんでしょう?」

江崎鏡はその言葉を聞いて、可笑しくなった。なるほど、昨日古村陽平がおじいさんに離婚の話を持ち出したのはこういうことか。

江崎清を家族の宴に連れて行きたかったのだ。

「そんなに知りたいなら、あなたの陽平くんに聞けばいいじゃない?古村家の家族の宴が誰でも参加できると思ってるの?」江崎鏡は冷笑した。

「あなたが何の資格で参...

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