第33章

古村陽平が去った後、すぐに高橋さやかに電話をかけ、古村陽平の態度について話した。高橋さやかは慌てないようにと慰め、古村陽平がただ様子を見ているだけかもしれないと言った。

江崎鏡は冷静になって考えてみると、確かにそうかもしれないと思った。古村陽平が関わるなと言うのなら、それに従うことにした。

昨日、高橋さやかがGVのロトさんに頼んで芝居を打ってもらった。といっても、ただ思い出先生の正体を明かさないでほしいというだけのことだった。ロトさんは理由を聞かずに快く承諾してくれた。

ロトさんにお礼の品を贈らなければと思い、高橋さやかに相談すると、それは慎重に計画を立てる必要があるとのことだった。江...

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