第45章

古村陽平が会社に戻ると、すぐに葉山言を呼び入れた。葉山言は古村陽平の険しい表情を見て、何か大事が起きたことを察した。

「古村社長」

古村陽平は水に沈むように暗い表情を浮かべた。「日方麻衣という女の仕事を全て止めろ」

葉山言は理由を尋ねることなく、そのまま部屋を出た。どうやらこの日方麻衣は昨夜、古村社長の機嫌を損ねたに違いない。さもなければ、理由もなく彼女の仕事を停止することはないだろう。

古村陽平が手元の仕事を片付け終わったところで、江崎清が勢いよく会社に駆け込んできた。

江崎清は力任せにオフィスのドアを押し開けた。

古村陽平は江崎清を見ると、目に不満を隠しきれなかった。

江崎...

ログインして続きを読む