第48章

江崎鏡は一瞬言葉を失った。

古村彩はここで無茶を言い出した。「知らないよ、とにかく私のためにちょっとしたお土産を作ってよ。独創性のあるものがいい。適当なカードとかじゃなくてね」

江崎鏡は冷たい表情で言った。「私にはできないわ。他の人に頼んだら?」

古村彩は意地になって彼女を困らせようとするかのように言った。「知らないよ、とにかく作ってよ。もし上手くできなかったら、お兄ちゃんかおじいさんに言いつけるから。あなたが私をいじめたって。そしたらお兄ちゃんが助けてくれるかどうか見ものね」

江崎鏡はこの子はもう救いようがないと思った。「どうぞ」そう言って踵を返した。

古村彩はその場に残され、怒...

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