第55章

江崎鏡は受付に置かれた贈り物の箱を指さして「全部ここよ」と言った。

古村彩はようやく表情が和らぎ、「分かってるじゃない。私へのプレゼントは何?」と尋ねた。

「自分で開けて見れば分かるでしょ?」江崎鏡は、こんな小娘がなぜいつもそんなに恨みがましいのだろうかと思った。

古村彩は鼻を鳴らして振り返り、プレゼントを見に行った。江崎鏡が買ったダイヤモンドのネックレスが鳩の卵ほどの大きさだと見て、ようやく満足した。

江崎鏡は心の中で思った。「どうせあなたのお兄さんのお金で買ったものだし、私のお金を使ったわけじゃないし」

古村彩はようやく笑顔を見せ、探るように「そういえば、天野兄さんがこれから来...

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