第77章 青山聡はろくでなし

青山光は情けなくもまた目頭が熱くなっていることに気づいた。この男は、口は悪いが心は優しいのだと、彼女は知っていた。

彼女は中には入らず、黙ってその場を離れた。

食事の時、青山雅紀は食卓に並んだ料理がすべて自分の好物であることに気づいた。思わず青山光に二度、三度と視線を送ったが、彼女は彼を見ようとせず、ただ物思いに耽るように食事を続けていた。

青山雅紀の眼差しが沈む。しかし心の中では、どうしようもなく考えがまとまらないでいた。

一秒前には、青山光は自分を気にかけているからこそ、こんな遅い時間にもかかわらず自分の好きな料理を食卓いっぱいに並べてくれたのだと思っていた。だが次の一秒には、彼...

ログインして続きを読む