第90章 慶成大学受験の準備

道中、車内は沈黙に包まれていた。小林岳は一言も発しようとしない。

小林輝は時折、バックミラー越しに小林岳の顔色を窺っていた。彼は頭の中で様々なシチュエーションを想定していた。彼の予想では、再会の反応というものは、それが歓喜であれ怨嗟であれ、もっと激しい感情が渦巻くもののはずだった。

しかし、今の小林岳の反応は——あまりにも静かすぎて、不気味なほどだった。

堪えきれずにもう一度視線をやったその時、小林岳がついに口を開く。

「俺が怖いのか」

その唐突な問いかけに、小林輝は虚を突かれた。

一瞬言葉に詰まった後、彼は苦笑しながら首を横に振る。

「まさか。どうして俺がお前を怖がる必要があ...

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