第91章 一位を取る

小林輝は何も考えず、口をついて出た言葉をそのまま紡いだ。

「慶成大学を受けたいのはわかってるよ。社会人枠もあるけど、現役生として受けたほうが有利なんじゃないか……」

その説明は、小林岳を納得させるには至らなかった。

岳は首を横に振り、冷ややかな声色で告げる。

「俺のこと、信用してないんだな」

輝は口を開きかけたが、結局は諦めて溜息をついた。

「わかったよ。お前が言ってるのは、慶成大学の特別選抜試験のことか?」

岳は頷く。

「ああ、明日からだ」

輝はこめかみが引きつるのを覚えた。

慶成大学に特別選抜があるのは知っている。ただ、まさか明日だとは。

国内屈指の学府である慶成は...

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