第5章

「認めんぞ」

 中田池は離婚届を食い入るように睨みつけていたが、突如として凶暴性を露わにし、書類を粉々に引き裂いて宙に放り投げた。

 紙吹雪が舞い散る中、彼は充血した目で私を射抜く。そこには、狂気じみた独占欲が渦巻いていた。

「鈴川薫子、法律がどう判断しようが知ったことか。俺が頷かない限り、お前は一生、俺の妻だ。離婚だと? 来世で言え!」

 彼は再び私を捕まえようと手を伸ばしたが、横にいた村木由紀菜がその腕に死に物狂いでしがみついた。

 村木由紀菜は計算高い女だ。

 たった今、中田池が私一人のために取り乱し、常軌を逸した姿を目の当たりにして、ようやく悟ったのだろう。彼の中での私の...

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