第8章

 死のような静寂。やがて、ドサリと膝が床を打つ鈍い音が響いた。

 中田池が、跪いたのだ。

 躊躇いなど微塵もない。圧倒的な衝撃と恐怖の前では、プライドなど一文の価値もなかった。彼は膝を引きずって私のスカートの裾に縋りつこうとしたが、神崎宴が音もなく立ちはだかり、それを阻む。

「薫子……薫子、私が悪かった!」

 中田池は目を赤くし、震える声で支離滅裂に懇願する。

「本当にお前だとは知らなかったんだ……お前だと知っていれば、村木由紀菜のところになんか行くわけがないだろう? これは全部会社のため、俺たちの未来のためだったんだ! 許してくれ、やり直そう、な? これからは全部お前の言う通りに...

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