第5章

緑山町を出て車を走らせながら、山崎誠の言葉が頭の中でぐるぐると回り続けていた。父は過ちを犯した。でも、追い詰められていたんだ。

三時間後、北島に着いた。緑山町よりずっと大きくて賑やかな工業都市だ。西村健が経営する建設会社――西村建設を見つけ出した。ごく普通のオフィスビルで、見たところまったくまともな会社だった。

駐車場に車を停め、最初の切り出し方を考えあぐねていた。亡くなった父親が脅した相手の娘です、なんて、どうやって見ず知らずの人に伝えればいいのだろう?

三十分ほど待っていると、西村健が出てきた。背が高く、おそらく彼の父親もそうだったのだろうと思わせるがっしりした体つきだった...

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