第7章

救急車の中で、私は乗車中ずっと圭吾の手を握っていた。彼の顔は青白かったが、まだ意識はあった。

「ありがとう」と私は静かに言った。

「何に対して?」

「命を救ってくれて」

圭吾は、私には読み取れない表情で私を見た。「由実、話さなきゃいけないことがある」

「何?」

「今夜なぜそこにいたかについて。この二週間、私たちの間に起きたすべてのことを考えていた。気づいたんだ......私が愛しているのは復讐じゃない。君だってことに」

病院に到着すると、医療スタッフはすぐに圭吾を救急処置室に運び込んだ。私は外で待ち、感情が入り乱れていた。

1時間後、医師が出てきて、圭吾は安定している...

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