第128章 女子寮(3)

寮母はちょうど西園寺樹希のことを知っていた。何しろ西園寺樹希は、女神として崇められるほどの美貌の持ち主であるだけでなく、最近K市大学でもその名を轟かせているからだ。Y市で開催された国際大学生ディベート大会で優秀な成績を収めたことで、彼女はこの寮きっての有名人となっていたのだ。

西園寺樹希の名を聞いた途端、寮母は顔をほころばせて言った。

「あら、なんだい。樹希ちゃんのことなら、もっと早く言ってくれればよかったのに!」

葉山天は気恥ずかしそうに笑った。

「お姉さんも、俺の妹を知ってるんですか?」

「そりゃあ知ってるよ! 樹希ちゃんは美人で頭もいいし、最近大きな賞も取ったばかりじゃないか...

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