第37章 昔とは違う

「おばさんね……」

佐藤絵里奈は頬を赤らめながら、柳原芳子に甘えるように言った。絵里奈は芳子の実の娘ではないが、この子が何を考えているかは一目で分かった。

「恥ずかしがることないわよ。男は嫁をもらい、女は嫁に行くものよ。おばさんは経験者だから言えるわ。あなたの年頃の女の子で、好きな人がいない子なんていないわよ」

柳原芳子は酔っているのか何なのか、かなり大胆な物言いだった。

佐藤遠も少し心配そうに「母さん、飲みすぎじゃないですか」と言った。

佐藤遠は母親がほとんどお酒を飲まないことを知っていた。今日は例外だったが、赤ワインを少し飲んだだけで頬が紅潮し、話し方も遠慮がなくなっていた。

...

ログインして続きを読む