第45章 全身が震える

葉山天はもともと不埒なことをするつもりなど毛頭なかった。母親という立場があるし、お父さんが亡くなってまだ間もない。たとえ綾瀬玲奈が今この場で服を脱ぎ捨てたとしても、葉山天が理性を失うことはまずないだろう。

しかし綾瀬玲奈はそうは思っていなかった。彼女は単純に葉山天を血の通った一人の成人男性として見ていた。一緒に寝ることに、やはり緊張を隠せなかった。

綾瀬玲奈は葉山天に背を向け、もう動かないようにしていた。一時間以上経っても眠れず、葉山天も同じく苦しんでいるようで、ベッドの上でごろごろと寝返りを打っていた。綾瀬玲奈の気持ちは恐れから自責の念へと変わっていた。彼はさぞかし辛いだろう!

綾瀬...

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