第59章 放蕩な外国の女の子

葉山天の車は道路を疾走していた。佐藤遠が誘拐されたことに、非常に腹を立てていた。友人は多くなく、親友と呼べるのは佐藤遠だけだった。そんな数少ない親友が誘拐されたのだから、葉山天の怒りは当然のことだった。

佐藤絵里奈は携帯を取り出し、焦りながら連絡先を探していた。しかし、連絡先リストを隅々まで調べても、兄の友人は見つからなかった。佐藤遠はナイトクラブで働いており、周りの人間がどんな連中か知っていたため、親しく付き合うことはなかった。友人を家に連れてくることもなかったのだ。佐藤絵里奈は佐藤遠の昔の友人を数人知っているだけで、今となっては連絡が取れなかった。

「大丈夫だ、連絡が取れなくても仕方...

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