第8章

卒業式の日、私は卒業生総代として壇上に上がった。

スポットライトを浴びる中、聴衆の何百もの顔はぼやけて見えたが、最前列で親指を立てて合図を送ってくれるレナの姿だけは、はっきりと分かった。

その時、千明の姿が目に入った。

彼は会場の端に一人で座っていた。ガウンは着崩れ、顔は無精髭に覆われ、その目はじっと私を見つめていた。

視線が交錯したが、私はすぐに目を逸らし、スピーチを始めた。

スピーチは滞りなく進んだ。学問への敬意と未来への希望を語り、「真の成長とは、別れを学ぶことから始まるのです」という一節に差し掛かった時、後方の席で何かが動く気配を感じた。

そこに、愛理が立っ...

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