第6章

 目を覚ました神宮寺直方は、まるで別人のようになっていた。

 彼は口も利かず、食事も摂らず、治療さえも拒絶した。

 強引に退院手続きを済ませると、すぐさま私の葬儀の準備に取り掛かった。

 彼は火葬を拒んだ。

 大金を叩いて最高のエンバーマーを雇い、私の容貌を修復しようとしたのだ。

「知遥は美意識が高いんだ。こんな姿で逝かせるわけにはいかない」

 そう言って。

 祭壇は神宮寺家の本邸に設けられた。

 ホールの中央には白黒の遺影が飾られ、写真の中の私は甘やかに微笑んでいる。

 それは大学の卒業式に撮ったものだ。あの頃の私の瞳には光が満ちていて、神宮寺直方だけを映していた。

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