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ケンゾーの部屋に戻ったのは八時過ぎだった。彼はベッドに大の字に寝そべっていて、その官能的に引き締まった身体は薄いシーツでかろうじて覆われているだけだった。私が入室するとすぐに彼が身じろぎし、唇にからかうような笑みを浮かべて、隣に来るよう手招きした。だが、私のことを――その表情を――まともに見た瞬間、彼の楽しげな様子は消え失せた。私の顔に浮かんだ恐怖の色を読み取ると、彼の瞳が暗く翳った。

私は彼にすべてを話した。ハドリアンの失踪のこと。セリーンが摂政を宣言したこと。冷静に、感情を交えず事実だけを伝えようとしたけれど、震える手が私を裏切った。落ち着きとは程遠い状態だった。ケンゾーはためらわなかった...

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