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イカロスとの会話の後、私の中の動揺は募るばかりだった。無力感が私を苛み、ゆっくりと、しかし容赦なく内側から蝕んでいく。彼は王の強さを信じろと言った。王国軍の精鋭たちの比類なき手腕を信じろと。だが、私は見てしまったのだ。彼の瞳に揺らめく恐怖の光を。それは、私の心の奥底に根付いている恐怖と同じものだった。

ハドリアンなら十人、いや百人相手でも戦えることはわかっている。だが、敵は何千という数で押し寄せてくるのだ。その集団としての力は決して侮れるものではない。結局のところ、すべては戦略にかかっており、EHはその点においても引けを取ってはいない。

それでも、こうした状況の最中にあってなお、私の思考は...

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