第115章

リナ視点

「調子に乗らないでよ」と私は言ったけれど、自分でも笑みを堪えるのに必死だった。

「手遅れだ」彼はこれみよがしに胸を張り、力こぶを作って見せた。他の誰かがやったら鼻につくような仕草なのに、彼がやるとどういうわけか愛嬌がある。

「じゃあ、俺には抗えないって? 今までで一番だった? ベッドじゃもう、最高にすごかったとか?」

「もう、あなたって人は」私は笑いながら、ふざけて彼の腕を叩いた。肌の下にある、がっしりとした筋肉が感じられる。

「それでもだよ」彼は勝ち誇ったように宣言し、純粋な所有欲と未来の約束を込めたキスで私の口を塞いだ。ようやく唇が離れると、二人とも荒い息をついていた。彼の瞳に...

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