チャプター 141

リナ視点

朝が来ても、私の存在そのものが悪夢と化したこの現実から逃れることはできなかった。私は熱湯のようなシャワーを浴び、肌が赤くただれるほど必死にこすり続けた。ポールの感触を記憶から洗い流したくて。だが、どれほど強くこすっても、私の体に触れた彼の手の感触、首筋に押し付けられた唇の感覚は、亡霊のようにまとわりついて離れない。

(別の皮膚が必要だわ)私は絶望的な思いで考えた。(レオが見つけてくれた時、彼に差し出せる清潔な何かが。今のこの体は、もう汚されてしまったから)

彼が囁いた言葉、独占欲に満ちた愛撫を思い出し、喉の奥から酸っぱいものがこみ上げてきた。私は体を折り曲げ、胃が痙攣するほど空...

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