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リナ視点

意識がゆっくりと戻ってくる中で、最初に感じたのは……私が必死に求めていたレオの馴染みある匂いではなかった。それは全く別の、もっと温かく、母性を感じさせるもので、私の胸を締め付けた。まぶたは鉛のように重く、骨の髄まで沁み込んだ疲労がのしかかっているが、私は無理やり目を開けた。

ソフィア。

彼女はベッドの脇に座っていた。その姿を目にした瞬間、物理的な一撃を食らったような衝撃が走る。彼女は……脆く見えた。目の前の女性を表す言葉は、それしかなかった。いつも完璧に整えられていた髪は力なく顔にかかり、頬はこけている。食事もろくにとらず、眠れぬ夜を過ごしていたことがありありと分かる。...

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