チャプター 2

リナ視点

衛兵たちは私を雪の中、引きずっていった。裸足の足跡は、待機していたトラックへと向かう血深紅の軌跡を残す。叫び声はもう嗚咽に変わり、息を吸うたびに折れた肋骨に短剣が突き刺さるような痛みが走った。銀を編み込んだロープが酸のように手首を焼き、自分が無力であることを絶えず思い知らせてくる。

「お願い……」と私は囁いた。その懇願が誰の耳にも届かないことはわかっていたけれど。「私は無実です」

トラックの金属の床は氷のように冷たく、打ちのめされた体は激しく震えた。

「黙れ、人殺しが」と、別の衛兵が唾を吐き捨てた。唾液が私の頬にかかる。「ウェアベアどもがお前を有効活用してくれるさ」

ドアが乱暴に閉められ、私は闇に突き落とされた。隙間から差し込む細い月明かりだけが、その闇を裂いていた。トラックのエンジンが唸りを上げて始動し、車体がガクンと揺れて前進した。路面の揺れのたびに、新たな苦痛の波が全身を襲う。

『あそこに行ったら、私たちは死ぬ』スノーが心の中で嗚咽を漏らした。その声は恐怖にかすれていた。

「わかってる」と私は囁き返し、折れた肋骨の刺すような痛みをこらえて体を丸めた。全身が抑えきれずに震えたのは、寒さだけでなく、骨の髄まで染み込む恐怖のせいだった。どんな狼の子供も悪夢にうなされる物語――骨が砕けるまで殴られる奴隷たちの話、正気を失うまで陵辱される雌たちの話。族長は拷問で死んだ者たちから戦利品を保管しているという者もいれば、雌の奴隷は一月も経たずに自ら命を絶つと囁く者もいた。

旅は終わりのない悪夢のように続いた。路面が揺れるたびに、傷ついた体には新たな激痛が走り、食いしばった歯の隙間から呻き声がこぼれ落ちた。銀のロープがさらに深く肉に食い込むにつれ、裂けた手首から流れる血が腕を伝った。

やがてトラックが止まったとき、私の意識はほとんどなかった。ドアがけたたましい音を立てて開かれ、無骨な手が私の足首を掴んで外へ引きずり出した瞬間、私はパニックに陥った。雪の中に顔から突っ込む前に、頭が金属の床にぶつかり、嫌な音がした。もう叫び声さえ出なかった。声はかすれた囁きとなり、それまでの叫びで喉はひりついていた。

巨大な人影が近づいてきた。その足音に、私の頬の下の地面が震える。

「こいつがオーロラ・パックの者か?」岩が擦れ合うような、低く喉の奥から響く声だった。

「はっ。支払いは手配済みです。もうあなたのものです」

私は前へ突き出され、ウェアベアのリーダーの前に雪の中で膝をついた。無骨な手が私の顎を掴み、顔を無理やり上向かせた。視線の先には、これまで見たこともないほど醜い双眸があった。

「可愛らしいじゃねえか」男は唸り、熱くむかつくような息が私の顔に吹きかかった。「お前は今から俺たちのリーダーのものだ」。家畜を品定めするように私を検分する間、全身が抑えきれずに震えた。男は私の顔を左右に向けさせ、硬くなった指で顎のラインをなぞった。

「こいつを奴隷居住区へ連れて行け」男は顎をぞんざいに放して命じた。「朝までには体を清めさせて働かせろ。死を待つ身の狼に休息などない」

二人のウェアベアの衛兵が私の両腕を掴み、屋敷地を引きずっていった。足はほとんど言うことを聞かず、混成種の戦士たちが酒を飲み、笑い合っている焚き火のそばを通り過ぎる。その目は、獲物を見るかのように私の姿を追っていた。洗っていない体と血、そしてアルコールの匂いが、あたりに重く立ち込めていた。

私たちは粗末な木製の階段を下り、地下の貯蔵庫のような場所へと入った。扉がきしみを立てて開くと、洗っていない体と絶望の悪臭が、まるで物理的な一撃のように私を襲った。薄暗い光の中、土間の上に、何十人もの薄汚れて痩せこけた人々が身を寄せ合っているのが見えた。私たちの登場に身じろぎする者もいれば、微動だにしない者もいた。

「新入りだ」と、衛兵の一人が告げ、私を前へ突き飛ばした。その勢いで、私は地面に無様に倒れ込む。私が倒れたことで、眠っていた奴隷が何人か迷惑そうにうめき声を上げた。他の者たちはただ、虚ろな目で私を見つめるだけだった。もう一人仲間が増えたところで、気にする気力さえ失っているのだ。

背後で扉が乱暴に閉められ、重い錠ががちゃんと下りる音が、湿っぽい空間に響き渡った。私は倒れたまま、恐怖と疲労で動けなかった。暗い地下室の中を、必死に目で探っていた。

『眠っちゃだめ』スノウが警告した。その声は恐怖にこわばっていた。『今夜だけは』

私は小さく頷き、冷たい石の壁を背に、なんとか体を起こして座る。全身の筋肉が抗議の悲鳴を上げた。折れた肋骨が胸に新たな激痛の波を送ってくる。それでも私は無理やり目を開け続け、影に動きがないか見張り、周りから聞こえてくる苦しげな息遣いや時折漏れるすすり泣きに耳を澄ませた。

天井近くにある小さな鉄格子のはまった窓から、灰色の光が差し込み始める頃には、私の体は寒さでこわばり、まぶたには石でも吊るされているかのように重かった。

扉を激しく叩く音に、私は朦朧とした意識から我に返った。「立て! 全員、今すぐ起きろ!」と、耳障りな声が命じた。

地下室はにわかに動き出し、奴隷たちが慌てて立ち上がった。中には、他の者たちに手を貸して立たせている者もいる。私は壁を支えに、よろめく足でなんとか立ち上がった。

衛兵の一人が隅にある木製の樽を指さした。「新入り、体を洗え。狼の群れの臭いがするぞ」

私は足を引きずって樽へ向かった。中には氷のように冷たい水が満たされている。その隣には、ごわごわした汚れた布――奴隷の衣服――が山積みになっていた。震える手で、顔と首に水をかけた。その冷たさが衝撃となって、意識をさらに覚醒させる。急いで粗末な茶色の上着とズボンを身に着けると、布地が肌に擦れてちくちくした。

私たちは家畜のように地下室から追い立てられ、厳しい朝の光の中に放り出された。地下の暗闇に慣れた目には、光が針のように突き刺さる。足がもつれてよろめき、倒れそうになった。衛兵の鞭が、顔の数インチ先で乾いた音を立てた。「さっさと行け、この雌犬が!」と、男は唸った。私は乱暴に列に押し込まれ、一歩進むごとに折れた肋骨が悲鳴を上げた。

厨房に近づくと、中からひそひそと話す声が漏れ聞こえてきた。言葉を聞き取るまでもなく、その声色に含まれた残酷な野心の響きに気づいた。

「お母様、本当ですってば。昨日、コールが私を見たんです。もし二人きりになれさえすれば……」それは女の声で、計算高さがにじみ出ていた。

「我慢なさい、ベラ。アルファに必要なのはまともな女であって、こんな汚らわしい奴隷どもじゃない。あなたの時は来るわ」年長の女の声も、同じくらい狡猾だった。「あの方があなたを手に入れたら、私たちはこの奴隷の身分から解放される。もしかしたら、あの方の家族にだってなれるかもしれない」

私は凍りついた。でこぼこの敷居に足を取られ、キッチンによろめきこむ。二対の目が、一斉にこちらを向いた――もつれた金髪の若い女と、そのやつれた様子の母親だ。若い女は目を細める。数秒前までその顔を生き生きとさせていた野心は消え、怒りと猜疑心に取って代わられていた。

「何を聞いたの、この新入り?」彼女は蛇のようにシューッと威嚇する声で言い、獲物を狙う捕食者のように、じりじりとこちらへにじり寄ってくる。

「な、何も……」私はどもりながら後ずさった。「今着いたばかりで――」

何の警告もなく、すでに痣だらけの顔を、彼女は容赦なく平手打ちした。その勢いで壁に叩きつけられ、折れた肋骨に新たな激痛の波が走る。悲鳴を上げないよう、血の味がするまで唇を噛みしめた。

「母さん、こいつを見てよ」彼女は吐き捨てるように言い、私の顎を掴んで無理やり光の方へ顔を向けさせる。「金髪で、この汚れの下は綺麗な顔。まさにコールの好みじゃない」

年長の女が、冷たい計算高い目で私を品定めする。「面倒なことになるわね」

彼女の目に嫉妬の光が宿った。「最初にきっちり躾けておけば問題ないわ」彼女は火にかかっていた煮えたぎるスープの鍋を掴むと、私の前に突き出した。「これを洗いな、このアマ。素手でよ」

ほとんど沸騰している液体から湯気が立ち上るのを見て、恐怖に目を見開いた。「熱すぎます――」

手が髪に絡みつき、頭が痛いほど後ろに引っぱられた。「命令に逆らう気、金髪のアマ?」彼女は私の両手を鍋に押し付けようとし、もう一人の女は笑っていた。

なんとか体を引いてひどい火傷は免れたものの、熱い液体が、ただれて傷ついた肌に飛び散った。涙が目に溢れ、見る間に水ぶくれができていく。

「それが終わったら」彼女は嘲笑い、わざと小麦粉の瓶を綺麗な床に叩きつけた。「最初から床を磨き直すのよ。もし終わった時に一つでも汚い箇所を見つけたら……」彼女は言葉を濁し、私の鎖骨を脅すように指でなぞった。

午前中は、痛みと屈辱の靄の中で過ぎていった。キッチン中のあらゆる表面を磨くたび、火傷した両手が悲鳴を上げる。昼になる頃には、立っているのがやっとだった。昨日の午後から何も食べておらず、空腹で胃が痛いほどにねじれた。

外が騒がしくなった――狩りの一団が戻ってきたのだ。体は本能的にこわばり、自分を小さく、目立たないようにしようとする。新鮮な肉の匂いに、腹が苦しいほどに鳴った。

ふいに、空気が変わった。肌が粟立つのがわかる。新しい匂いが近づいてくる――麝香のような、支配的な、そして血の匂いを帯びた匂い。コール・ストーン――部族の長だ。私はうつむいたまま、磨いている床に意識を集中させていたが、何かの本能に突き動かされ、一瞬だけ顔を上げてしまった。

彼の目と、目が合った。

その一瞬で、とんでもない過ちを犯したと悟った。コールは険しい表情でこちらへ歩み寄ってくる。その巨大な体が、跪く私の上に影を落とした。すぐに視線を落としたが、もう手遅れだった。

無骨な指が私の顎を掴み、無理やり顔を上げさせた。コールの邪悪で醜い笑みが全身に氷を走らせる。彼は私の顔を吟味していた。そして何の前触れもなく、彼の開かれた手のひらが私の頬を打ち、焼けるような平手打ちに私は地面に倒れ込んだ。周りにいた部族の者たちが笑い声を上げる。その愉悦は、まるで傷口に塩を塗るようだった。

「俺様を見ようなどと、いい度胸だな?」コールが怒鳴ると、その声が壁に反響した。「無礼を働いた場合の結末を教えていなかったか、この売女め?」彼は私の顎を掴む力を痛いほど強め、無理やり彼を見させた。

涙が顔を伝い落ちる中、私は必死に首を横に振った。私の心の中でスノーがくぅ、と鳴き、意識の奥深くへと退いていった。

コールは汚れた指で私の髪を顔から払い、突然、私をさらに注意深く観察し始めると、その目に捕食者のような光が宿った。飢えたような笑みが彼の顔に広がり、黄ばんだ歯が覗く。腐った肉とアルコールの臭いがする彼の不快な息が、顔を近づけるにつれて私に吹きかかった。その声は肌が粟立つような脅迫的な唸り声へと変わった。

「こんな泥だらけの下に、ずいぶんと可愛いものが隠れているじゃないか」彼はそう呟きながら、硬くなった親指で私の震える下唇を乱暴になぞった。「奴隷としてのお前の立場を、決して忘れられないように教えてやる必要があるな」彼は私の髪を痛いほど強く掴み、視線が交わるまで頭を後ろに引かせた。「今夜、俺のために準備しておけ、金髪のクソ女。お前が悲鳴をあげるまで犯してやる。お前は価値のない売女らしく、それを受け入れるんだ」

彼の視線が、あからさまな欲情を帯びて私の体を舐め回すように下へと移動し、私はそれだけですでに凌辱されたような気分になった。「今夜は体を隅々まで綺麗にしておけ――俺がお前を壊す時には、一点の汚れもない状態にしておきたいんでな」彼は唇を舐めた。その音は湿っぽく、猥褻だった。「そして俺が使い終わったら、次は俺の戦士たちの番だ」

広場は大きな歓声と下品な身振りに沸き、戦士たちは私に対して計画している卑劣な行為を口々に叫んだ。股間を掴む者もいれば、あからさまに腰を突き出すような動きをする者もいた。

全身が恐怖で冷たくなり、次いで羞恥で熱くなった。今夜私を待ち受けている現実が、息もできないほどの力で押し寄せてくる。胃液が喉にこみ上げ、焼けるように酸っぱい。激しい震えが体を襲う中、吐き気をこらえようと何度も唾を飲み込んだ。

涙の向こうに、人混みの中に立つ金髪の奴隷の姿が見えた。彼女の顔は嫉妬と憎悪に歪み、その形相は人間とは思えないものに変わっていた。

やがてコールと彼の戦士たちが、笑い声を構内に響かせながら立ち去った後も、私は地面に崩れたままだった。体は歯の根が合わないほど激しく震えていた。パニックが胸を鷲掴みにし、呼吸は浅く、痛みを伴う。彼は今夜と言った。今夜。満月の夜。

今夜は満月――スノーの力がわずかに強まり、ほんの短い時間だとしても、束縛の呪文を破れるかもしれない日。それが、私にとって唯一のチャンスだった。

『私があなたを守る、スノー』私は心の中で誓った。『私たち二人を守る。あいつらの慰みものとしてもう一日生きるくらいなら、荒野で獣に喉笛を食いちぎられて死んだ方がましだ』

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