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レオ視点

心が修復不可能なほど粉々に砕け散っていくのを感じながら、俺は空っぽのベッドを見つめていた。その時だった――三十一日もの間、完全に消え失せていた温もりが、突如として胸の奥で燃え上がったのだ。何週間もの間、ただの囁きに過ぎなかった「番(つがい)の絆」が、鮮烈な生命力を宿して高らかに歌い始めた。

俺は弾かれたように振り返った。そこに、彼女がいた。

入り口に佇むリナは、まるで幻影のようだった。絶望した俺の精神が、眠れぬ夜の果てに作り出した希望の幻影。だが、これは幻覚ではない。彼女は現実に存在し、実体を持ち、息をしている。波打つ髪は肩にかかり、記憶にあるよりも少しだけ伸びていた。...

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