第14章

「じゃあ、カードを配るぞ」と次郎が言った。

「イケメンおじさん、頑張ってね」

大澤亜美は小さな拳を握りしめ、緊張した表情を浮かべていた。

平野純平は眉を上げ、次郎にカードを配るよう合図した。

いわゆる24点ゲームとは、4枚のカードを配り、足し算、引き算、掛け算、割り算を使って24という数字を作るゲームだ。

暗算の速さを競うのだ。

次郎が4枚のカードを配ると、4人の視線がカードに集中した。

平野純平はちらりと一目見ただけで、淡々と口を開いた。

「わかった」

太郎と次郎は明らかに驚き、彼を見つめた。

「10足す10で20、それに1を掛けて、さらに4を足すと、24点だ」

平野...

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