第27章

「ママ、また出かけるの?」太郎は眉をひそめた。

「そうよ、ママは今日もお金を稼ぎに行くの。そうしないと、あなたたちを養っていけないでしょう?」

大沢玲子は彼の小さな頭を撫でた。

私立幼稚園の年間学費は2000万円近くもする。

彼女の家には三人の宝物がいて、2000万円を三倍しなければならない。

まったく、金食い虫ばかりだわ!

「ママ、人を助けに行くの?」

大沢亜美は大きな瞳をパチパチさせながら、幼い声で尋ねた。

「そうよ、お家でいい子にしていてね」

大沢玲子は彼女のふわふわした頬をつまんだ後、一階の部屋に入って鍼灸セットを取りに行った。

平野純平は車椅子に座って本を読んで...

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