第35章

新井美智子の言葉を聞いて、大澤久志の目に嘲りの色が閃いた。

「龍司様がさっき私に電話してきたんだよ。彼はもうお前とは一切関係ないって言ってたぞ。お前が彼を死にかけさせた、お前は不吉な女だってね！」

え？

新井美智子は愕然とした。

つい数日前まで、龍司様は彼女のために大澤玲子を懲らしめると言っていたのに、どうして突然百八十度態度を変えたのだろう？

「嘘よ、絶対に嘘をついているわ」

新井美智子は信じられず、急いで携帯を取り出して龍司様に電話をかけた。

数回の呼び出し音の後、電話がつながった。

新井美智子は慌てて声を出した。

「龍司様、私です...」

「お前だと分かっている、美...