第43章

「もっと大きな声で言ってみろよ」

頭領が一言罵ると、黒服の男に門を開けるよう急かした。

黒服の男は小声で二言三言呪いの言葉を吐きながら、柵を開けた。

「気を引き締めろ。この中庭にはまだ他の仕掛けがあるかもしれん」

頭領が一言注意を促した。

部下たちは次々と返事をし、用心深く中に入っていった。

一階で、平野純平は夢の中で何か物音を聞いた気がして、ハッと目を見開いた。

おかしい、誰かが中庭に侵入してきた!

誰だ?

平野純平は黒い瞳を冷ややかに光らせ、まず大澤玲子に知らせようと思った。

彼は手探りで自分の携帯電話を取り、大澤玲子の番号を探して発信した。

電話は数回鳴ってから、...

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