第7章

「どこだどこだ?」

大澤玲子は天も地も恐れないが、ただネズミだけは怖い!

平野純平の胸が震え、薄い唇から押し殺した笑いがこぼれた。

「何も怖くないんじゃなかったの?」

彼はとっくに亜美ちゃんから聞いていた、大澤玲子はネズミが怖いということを!

「からかったの?」

大澤玲子はやっと気づいた、さっき平野純平が彼女をわざと脅かしていたのだと!

「いや、嘘発見器みたいなものさ」平野純平は冷静に反論した。

「あなたって!」

大澤玲子は彼を睨みつけ、綺麗なアーモンド形の瞳に男の笑顔が映っていた。

彼の顔立ちは非常に整っており、今笑みを浮かべている姿はまるで氷山が溶けるように、妖艶で魅...

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