第6章

重厚なオーク材の扉が、まるで戦の終わりを告げる太鼓のように、私の背後で閉ざされた。

長テーブルを囲む十二人は、いずれも強者といった面構えだ。その瞳には、深い猜疑心と焦燥の色が浮かんでいた。

「皆様」

私は分厚いファイルをテーブルに叩きつけるように置いた。

「本日私がお持ちしたのは、嘆願書ではありません。動かぬ証拠です」

理事長が眉をひそめる。

「冬木さん、また感情的な訴えでないことを願うが……」

私は彼の言葉を遮り、即座に最初の書類を示した。

「これは春田家の銀行記録です。ご覧ください――私の『医療過誤』とやらが起きたとされる、まさにその翌日になされた、200万円の...

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