第15話

イーサン

「こんにちは、キャット」

新しい受付係のセージがにっと笑った。

「やっほー、セージ」キャットも笑顔で返す。「パパ、奥にいる?」

セージは高校を卒業したばかりで、両親がパックの医師の下で見習いとして娘を雇ってもらえるよう、必死に頼み込んだらしい。

「ええ、いますよ」セージは頷いた。「どうぞ入ってください。今は忙しくないみたいですから」

俺の指先がいら立ちでピクリと動き、兄弟の方を横目で見た。キーランにソフィアを抱かせる番を譲ってやったとはいえ、俺はもう彼女が恋しくなり始めていた。

人狼社会において双子は極めて稀であり、俺とキーランは医学的な特異点とも言える存在だ。キーランの方...

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