第164話

リリス視点

腹を抱えて笑い転げ、息もできないほどだった。あのオフィーリア・ムーン本人と潜入取材の裏話を交換し合っているなんて、まるで夢のようだ。サイラスに話しても絶対信じてもらえないだろう。自撮りをお願いするのは無粋だろうか? 彼女はオフィーリア・ムーンなのだ。生ける伝説であり、定命の者たちの中に降り立った女神のような存在だ。

正真正銘の、あのオフィーリア・ムーンなのだから!

アシュフォード家が彼女と知り合いだということに驚くべきだろうか? いや、驚くにはあたらないはずだ。だが、ケイレブがデートにかこつけて、私の憧れの人に引き合わせてくれるなんて。私があらゆる面でお手本にしてきた女性に?...

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