第190話

ダリア視点

二十二時間。それが、群れに新しく生まれた双子の出産と分娩の介助に費やした時間だ。群れの助産師になるべく、ウィンスレット医師の下で三年間研鑽を積んできた私は、どんな予期せぬ事態にも対処できる自信があった。だが、長時間の陣痛と、二匹の子犬をこの世に送り出すための苦労を除けば、すべては順調に進んだ。

徹夜明けの身としては、本来なら疲労困憊しているはずだ。ベッドを目にした瞬間に強烈な睡魔に襲われるかもしれない。しかし今の私は、奇妙なほど活力がみなぎっていた。私の中にいる狼――ブルーが、興奮で心を震わせているせいで、落ち着かないのだ。まだ眠れそうにないので、出産後の高揚感を利用して、足を...

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