第194話

リアム視点

ダリアの父との会話を終えてから、数時間が経過していた。皆が彼女を呼ぶ愛称を知ってからは、俺も彼女をリアと呼ぶことにした。だが、時間は経てど思考は絡まったままだ。頭の中は嵐のように荒れ狂い、一向に静まる気配がない。俺はスターリング家の裏庭を落ち着きなく歩き回り、森の端に咲く野草の茂みに獣道を刻むように往復していた。オベロンから聞かされた話の重みが胸にのしかかり、まるで壁が四方から迫ってくるような圧迫感を覚える。新鮮な空気を求めて外に出たはずなのに、今になっても安らぎは見つからない。

「ゴースト」も助けにはならなかった。

俺の中の狼はリアの香りを捉えて離さず、彼女は俺たちのものだ...