第210話

ローガン視点

「やあ、イケメンさん! 最近どこに隠れてたの?」

ロウェナは甘ったるい声を出しながら、俺の胸に手を押し当て、キスしようと身を乗り出してきた。俺は彼女がそれ以上近づく前に肩を掴み、腕の長さ分だけ突き放した。

『マジかよ、ローガン? ロウェナ・グリムショーだと? ふざけんじゃねえぞ』

リアムが俺の頭の中で唸り声を上げた。

『分かってるよ、いいか? 俺がしくじったんだ! でも今は何の助けにもならねえだろ!』

俺は苛立ちながら心の中で言い返した。

視界の隅で、ロウェナが俺に触れた瞬間、リアがびくりと身を竦めるのが見えた。それが嫉妬なのか、単にこのやり取りを目撃した不快感なの...

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