第226話

ローガン視点

俺たちが人混みをかき分けてテーブルを探して進む中、重低音の効いた音楽がバー全体にガンガンと鳴り響いていた。

『ウェイブス』はオープンしてまだ数週間だというのに、店内に溢れかえる人の波を見る限り、すでに街一番のホットスポットになっているようだ。ダリア・スターリングに出会って世界がひっくり返る前なら、俺もここで次の獲物を物色していただろう。だが今は、彼女との夜に溺れること以外、俺の頭にはなかった。

ようやく奥まった場所にあるテーブルを確保した。ダンスフロアに出ていない時は、ここなら人目も気にならない。

「飲み物を買ってくるよ」俺はそう宣言して身を乗り出し、リアの耳元に唇が触れる...

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