第230話

第一章 - リアム視点

浴室の鏡の前に立ち、俺は自分の顔をまじまじと見つめた。ほとんど別人だ。眠れぬ夜の代償は大きかった。目は充血し、目の下には疲労の影のような隈(くま)がくっきりと浮かんでいる。ゴーストのやつが容赦なく騒ぎ立て、頭の中を歩き回ったり唸ったりしたせいで、一睡もできなかったのだ。そのツケが今、回ってきている。普段はウェーブのかかった髪も、寝返りを打ち続けたせいで四方八方に跳ね、ひどい有様だった。もしリアがまたベッドに入れてくれなかったら、まともな睡眠なんて二度と取れないかもしれない。そう考えただけで、どっと疲れが押し寄せてきた。

そんな不安な考えを振り払い、冷たい水を顔に浴び...

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