第258話

ダリア視点

ただ、この一日の汚れを肌から洗い流し、すべてを忘れてしまいたかった。私は迷うことなくバスルームへ直行し、背後でカチリとドアを閉める。つがいの腕の中で丸くなるのも魅力的ではあったけれど、今は一人の時間が必要だった――ほんの数分でもいい、静寂が欲しかったのだ。

シャワーのノズルを一番熱い設定にひねり、タイルから湯気が立ち上る中、服を脱ぎ捨てていく。お湯が十分に温まったところで、降り注ぐ湯の下へと足を踏み入れ、熱に身を委ねた。熱いシャワーが肩と首の痛みを和らげ、一日の重荷を洗い流してくれるようだった。

しばらくの間、私はただそこに立ち尽くし、心を無にして熱いお湯の至福に浸っていた。...

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