第280話

ローガン視点

「私、クリスタル・ムーン・パックのダリア・スターリングは、ブラッド・ムーン・パックのアルファ・ローガン・アシュフォード、およびアルファ・リアム・アシュフォードを、女神に授けられた『番(つがい)』として受け入れます」

リアはそう宣言し、堂々と俺たちのオフィスに足を踏み入れた。

俺は夢を見ているに違いない。ほんの少し前まで、俺と兄弟は自身の狼をなだめるのに必死で、運命の相手が手からすり抜けてしまうのではないかという恐怖に心が押し潰されそうだったのだ。それなのに今、彼女はここにいて、俺たちの目の前に立ち、絆を受け入れると宣言している。

現実のはずがない。俺はこれまでの人...

ログインして続きを読む