第283話

リアム視点

凍りついていないのは目だけだった。俺の両目は限界まで見開かれ、部屋の隅々まで貪るように見つめていた。隣に立つ双子の片割れは、死のように静まり返っている。息遣いすら聞こえないその様子から、彼もまた俺と同じくらい衝撃を受けているのがわかった。実家を出てからこのドアをくぐるまでのどこかで、俺は境界線を越えてしまったに違いない。なぜなら、目の前に広がっている光景は、天国としか思えなかったからだ。

無数のキャンドルが黄金色の光で部屋中を包み込み、揺らめく炎が床に散らばる薔薇の花びらの上で踊っていた。ベッドの上も同様に花びらで覆われ、官能的でロマンチックな毛布のようだ。そして、その中心に―...

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