第291話

リア視点

ここ数日は、情欲と圧倒的な渇望の靄(もや)の中で過ぎ去っていった。俺たちの内なる狼は暴走気味で、常に触れ合っていることを求め、番(つがい)と繋がりたいという飽くなき欲求を訴え続けていた。ローガンも俺も、文句などあるはずがない。たとえ一秒でもリアと離れるという考えは、耐え難いものだったからだ。この親密で原始的な絆に縛られたまま、永遠にこうしていられるなら、俺たちはそうしただろう。

だが、血管を流れるアルファの血は、俺たちの執着を駆り立てると同時に、責任の重さ――群れに対する義務をも運んでくる。

俺たちが不在の間、ベータであるバスティアンが前に出て、群れの当面の用事を引き受けてくれ...

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