第315話

謎の視点

女神がもう少しだけ猶予を与えてくれることを願っていた――考える時間、計画する時間、そして的確に行動するための時間を。だが、運は私に味方しなかったようだ。友人を訪ねて留守にしていた時、その知らせは私の残されたわずかな平穏さえも打ち砕いた。ブラッドムーンのアルファたちが、わずか二週間後にダリア・スターリングをルナとして戴冠させるというのだ。

私は迷わなかった。即座に訪問を切り上げて帰宅し、計画の策定に没頭した。あの儀式をみすみす行わせるような未来など、私の現実には存在しない。何もしないまま、指をくわえて見ているつもりなど毛頭なかった。

「契りの儀式」、それもアシュフォード家が仕切る...

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