第320話

ローガン視点

ピッ、ピッ、ピッ。

一体、何だこの音は?

頭上から降り注ぐ強烈な光の暴力に、俺は何度も瞬きをした。意識が定まらず、呻き声を上げながら身を起こそうとする。本能的に手をかざし、その眩しさを遮った。何もかもがおかしい。

最初に鼻を突いたのは、無機質な消毒液の匂いだった。清潔すぎて、冷たすぎる。ここは病院のベッドだ。俺の部屋じゃない。腕には点滴の針が刺さっている。横ではモニターが一定のリズムで電子音を刻み、頭蓋骨の奥では鈍く脈打つような痛みが走っていた。一体全体、何が起きたっていうんだ?

「現世(うつしよ)へお帰り」

リアムの声がした。最初は姿が見えず、部屋のどこかから声だけが...

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