第331話

ダリア視点

部屋に足を踏み入れた瞬間、射抜くような緑の瞳が私を捉えた。そこには、かつて私たちが一緒だった頃と同じ、優しい愛情が宿っていた。まるで過去の亡霊が私を見透かしているかのようだ。私は敷居をまたいだところで足を止め、彼との距離を保つことにした。彼がここにいる理由が何であれ、ろくなことではないはずだ。

「アルファ・ブラックウェル、どうやって……何が……どうして……?」

私は口ごもり、思考が空回りした。私の内なる狼が、不甲斐ない私に呆れてため息をつく。部屋の向こうで、フィニアンの唇が笑いを堪えるように引きつった。

「本気かい、リア?」彼の口元に苛立たしい笑みが浮かぶ。「他人行儀な挨拶...

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