第40話

イーサン視点

「関係ないわ。彼女には二度と会えないんだから」

ジェシーの爬虫類めいた声が頭の中で響き渡り、胸に痛みが走った。キーランの表情を見る限り、彼も同じ思いなのだろう。ジェシーは残酷で少し狂っているかもしれないが、嘘はつかない。真実を告げるだけの賢さは持ち合わせている。

キーランの自制心が崩れかけ、その瞳が殺意で暗く濁っていくのが見て取れた。あいつはいつだって自分を抑えるのが苦手で、後先考えずに行動する。だが、だからこそ俺たちは最高の相棒なのだと思いたかった。キーランが野性的で残忍なら、俺は狡猾で計算高い。俺たちはコインの裏表であり、二つに分かれた一人の人間のようなものだ。

ジェ...

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