第49話

「一度、あなたたちの元を去るという過ちを犯してしまった」私はそう認め、二人の番(つがい)を交互に見やった。胃の府で罪悪感がとぐろを巻く。彼らは隠そうとしていたが、その瞳に宿る痛みは明らかだった。「もう二度とあんな間違いはしない。二人が行くところなら、どこへだってついていくわ」

隠されていた感情の一部が彼らの瞳から溢れ出した。この時ばかりは、人混みの中にいなければよかったのにと思った。三人きりになれたらいいのに。彼らの瞳から痛みを、血管から罪悪感を消し去り、私たちだけの世界にできたらいいのに。

私は二人の手をそれぞれ取り、優しく握り締めながら車の方へと導いた。その時、通りの向こうで何かが目に...

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