第116章

入り口に入ってすぐ、目の前は真っ暗闇だった。江口美咲は二人の子供の手をしっかりと握りしめ、鈴木薫が先頭に立って道を開いていく。

陽と健太は内心でくすくす笑っていた。まさかママがこんなにもお化けを怖がるなんて。

でも、今日お化け屋敷で怖い思いをしたら、きっと気がかりなことも忘れられるはずだ!

二人は裏の計算があって、ママに手を握りしめられて痛いとも言わず、黙ったまま彼女を引っ張って前へ進んだ。

江口美咲は歩けば歩くほど、頭皮がゾクゾクしてきた。

幼い頃から怖いものが苦手で、ここのお化けが全て偽物だと分かっていても、音楽と照明の演出の中で、胸がドキドキして落ち着かなかった。

特に今は...

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